アカデミー指導者トーク・柴田慎吾コーチ(月刊コンサドーレ12月号掲載)
柴田慎吾 札幌U-15担当コーチ
今年からクラブとしてフットボール委員会ができました。よりフットボールの一本筋が通るといいますか、アカデミーも統一してやっていこうとなりました。今、トップチームが超攻撃的サッカーとうたって魅力的なサッカーを展開しています。僕が選手のときはエレベータークラブと言われ、苦しかった現役時代から比べたら、ミシャ監督のフットボール、攻撃的サッカーがJ1でも結果を出して、このコンサドーレを大きくしてくれたと思うので、それだけ魅力あるフットボールをアカデミーでも、ということで、超攻撃的サッカーというものを日々意識してやっています。サッカーなのでうまく行かないこともあれば、うまく行くこともある中で、目指している部分は少しずつ表現できているのではないかと思っています。結果は勝ったり負けたり、特に全国大会では今年はうまく行きませんでしたが、リーグ戦でも過去最高得点ですし、少しずつ手応えを感じています。
3年間は短いですけど、だからこそジュニア(U-12)があって、ユース(U-18)があって、一貫指導してトップにつなげること。U-15としての目標は各大会で勝つこともそうですが、一番はトップチームに選手を輩出することです。そこに向けてどう選手を発掘して、みんなで育てて、送り出していくかということです。
中学時代は心身ともに成長する時期です。中1のときは小学生の延長で、そこから身体もグッと大きくなり、それに伴い思春期、反抗期などがあり、中3では精神的にも大人になって、体つきも大きくなる。すごく成長する3年間ですから、こちらの働きかけ次第で白にも黒にもなる。大きなやりがいと、背中合わせで大きな責任がある年代だと思っています。
選手の時から指導者になる準備をして、ライセンスを取る方もいますが、自分はそれをしていませんでした。本当にイチから、日々手探りの中で、いろんな人に出会い、いろんな選手と出会って気付かされて、反省して手ごたえを得ての繰り返しで、去年、S級ライセンスも取らせてもらいました。よりサッカーの深いところも学べました。それをアカデミーに、コンサドーレに還元しなければと思っています。コンサドーレがプロのサッカー選手にしてくれましたし、コンサドーレが指導者にもしてくれて、指導者としても育ててもらっています。何とか恩返しや還元をしなければという覚悟を持っています。
プロフィール
柴田慎吾(しばたしんご)
1985年7月13日生まれ、東京都青梅市出身。小学校1年生からサッカーを始め、中学で柏レイソル青梅に所属。中学校卒業時は柏U-18に昇格できず、地元の高校へ進学。高校2年終了時から柏U-18へ再昇格。高卒後は浜松大学に進学し、当時の同大サッカー部長谷川健太監督から指導を受けた。大卒の08年に札幌に新加入し、10年に群馬でプレーして現役を引退。11年にコンサドーレのサッカースクールコーチに就任し、12年から15年まで旭川U-15コーチ。16年、17年と旭川U-15監督を務め、18年から2年間、札幌U-15監督。20年から2年間はU-18コーチを務め、22年から再びU-15札幌担当(監督)。