アカデミー指導者トーク・安田一行コーチ(月刊コンサドーレ10月号掲載)
安田一行 釧路U-15担当コーチ
昨年からU-15を担当させていただくことになり、チームとして北海道カブスリーグ1部に昇格したい、させたい、4拠点で常に試合ができる環境へ、そして切磋琢磨できればという思いで、選手と一緒にその土俵に上がりたいということが一つの目標です。主体的に行動して欲しいという思いもあり、選手たち自ら目標を設定し一緒にチャレンジしているところです。
昨年、選手たちへのテーマとしては、球際を強く、切り替えを早くハードワークという、トップチームと同じく、そこを徹底してやってきました。その基準をベースに、今年の選手たちへも求めています。体育館練習においても外の練習においても、強度と質を高く、徹底してやることにこだわりを持つことで、個の成長やフィジカル的にも上がってくると信じています。それがフットサルに移行した中で、狭いスペースの中で活かされ、局面局面で選手自ら意思を持ってチャレンジし、攻守に良くなっていったと思います。メンタリティもすごく大事だと思っていて、最初に出会ったときは自信のない言動やプレーが気になり、いかにして自信を持たせてチャレンジさせることができるか、というところが自分の中でのテーマでした。日常からどういう声掛けをするか、自信を持たせるために、失敗を恐れずにチャレンジしようとやってきた中で、最後には自分たちで声を掛け合いながらどんな相手にも果敢に挑み、苦しいところでも乗り越えようとする姿が、最後に(今年1月の全日本中学フットサル選手権で3位になり)あのような結果につながったと思います。
U-15においては釧路町の多目的広場がメインのグラウンドです。土のグラウンドで、夜になると照明が片方しかなく逆光になってしまい、ボールが見えづらい中でのトレーニングに、選手たちには申し訳ない気持ちです。ほかの拠点には人工芝のグラウンドがあり、札幌も室蘭も旭川も、地域に札幌ユースや大谷室蘭、旭川実業など強豪といわれるチームがあり、近くで見て触れて、刺激を得られる環境と目指せるものがあります。アカデミー組織ですから、U-18を目指してチャレンジすることが大事ですが、なかなかU-18の練習も見ることがでず、環境面においては劣っていますが、自分の可能性を信じて、夢や目標をしっかり持って本気でチャレンジして欲しいと思っています。今回、(9/16湘南戦で)トップチームのゲームを見るのも、OB戦の対戦相手に選んでいただいてドームでサッカーができるのもモチベーションとなり、良いきっかけになると思います。本当に感謝しています。
昔と違って情報がすぐに手に入り、サッカーだけに集中できない時代かもしれませんが、サッカーが好きで始めた原点を忘れてほしくはありません。自信を持たせること、楽しませること、夢や目標に向って本気でチャレンジすることなど、選手たちに対してのアプローチをしっかりしていかなければと思います。自分はサッカーにおいて様々な力、特にやり抜く力を得られ、それがその後の人生においても役立ったと思っています。サッカーはそのようなところも養える、魅力あるスポーツですので、サッカーを通じて伝えていければと思っています。
安田一行(やすだかずゆき)
1977年6月30日、釧路出身。中学まで地元・釧路で過ごし、高校から道内の強豪・室蘭大谷高に進み、中央大学を経て、2000年に室蘭大谷サッカー部コーチとして指導者のキャリアをスタートさせた。2016年から釧路エリアのコンサドーレサッカースクールコーチを担当。2019年から釧路U-12のコーチに就任し、昨季から釧路U-15担当コーチ。室蘭大谷時代では、かつてコンサドーレに所属した池内友彦氏と同期。