アカデミー指導者トーク・清川浩行監督(月刊コンサドーレ11月号掲載)
清川浩行 室蘭U-15監督
室蘭を見て今年で4年目です。(就任は)ちょうどコロナになった時でした。北海道を離れてしばらくでしたから、コンサドーレ札幌U-15は全国大会などに出ていて分かっていましたが、北海道の子供たち全体のレベルや、実際に室蘭の子供たちがどこまでの実力、レベルなのか分からない状態でした。前年(2019年)にカブスの2部から1部に上がって、北海道の一番上のリーグで戦うことは分かっていたのですが、実際に指導し始めたのが2月中旬。そこから緊急事態宣言が出て、半年近く活動できない状況でした。練習した日にちがあまりなかったことを思い出します。何度か見ていくうちに、スピードのある選手や特徴がある選手がいるイメージを持ち、夏以降に再開して、後期だけで試合をするという形でやりました。後期の結果で全国大会に行ける上位2チームが決まるということで、何とか2位に入って全国大会に行きました。そこから4シーズンは1部をキープしています。何とか子供たちが頑張ってくれています。
今年も2選手が札幌U-18に進むことができましたが、(目標としては)毎年、室蘭から北海道のトップを目指して行って欲しいと思っています。そこに行けなくても、道内の強豪校などでも頑張れる選手を育てたいと思います。本隊から「こういうサッカーを目指して取り組みましょう」という、4拠点への大きな柱がありますが、子供たちも減ってきていて、セレクションで選手が集まることも難しく、選手を確保するのも厳しい状況にあり、まだ同じようなサッカーができる地域ではないのですが、個人のストロングをできるだけ伸ばして、それがチームの中で活かされるような選手がたくさん出てきて欲しいと思っています。
室蘭U-15には苫小牧の子もいますし、伊達、登別、虻田の子もいます。ウトナイの方から来てくれていた子もいました。保護者の方々にもかなりのパワーが必要ですが、コンサドーレに興味を持ってセレクションを受けて通ってくれています。室蘭U-15にはドリブルが好きな選手が多いと感じます。ジュニア(U-12)もありますので、良い選手を育てて、U-15に多くの選手が進めるような形も強化していかなければならないと思っています。
自分が高校の時は室蘭大谷がダントツでした。北海道の良い選手が室蘭に集まって、切磋琢磨して全国大会に行っていたという印象です。ドリブルだったり、スピードがあったり、特徴がある子たちがもっとサッカーを知って、努力の仕方も分かって取り組んでいけば、また強い室蘭、サッカーの街に少しずつでも戻っていくのかなと感じています。コツコツとみんなで、室蘭の小学校、中学校、高校の指導者も含めて、コツコツと取り組んでいかなければいけないと思っています。
プロフィール
清川浩行(きよかわひろゆき)
1967年6月3日、函館出身。函館有斗高卒業後、Jリーグの前身である日本サッカーリーグの日立製作所へ入部。柏レイソルのJリーグ昇格まで在籍し、引退後の1995年から柏レイソルユースの監督やコーチを歴任。この時、石川直樹氏も見出している。2010年にロアッソ熊本のヘッドコーチに就任し、2016年から監督を務めた。2018年よりザスパクサツ群馬の強化を担当し、2019年より同トップチームコーチ。2020年よりコンサドーレ室蘭の監督に就任した。