アカデミー指導者トーク・山下泰明コーチ(月刊コンサドーレ9月号掲載)

山下泰明 旭川U-15担当コーチ

 現在の旭川U-15の活動目標は、1人でも札幌U-18に入っていく選手を育てること。同時に、U-18でも活躍してプロになって欲しいというのが一番です。全員がU-18に行けるわけではありませんから、ほかの高校やチームに行っても活躍できるように、サッカーに向き合うための姿勢や、必要な人間性をしっかり高めて、積み上げて、旭川U-15出身の選手には各地で活躍て欲しい、ということをテーマとして、選手たちには伝えています。
 現在所属する子どもたちは、旭川の選手はもちろん、東川や、遠い選手では滝川から1時間以上かけて通っている選手もいます。保護者の方の支えがあってこそです。自分は旭川の3期生です。それまでは旭川に町クラブもなく、クラブチームもなかったので、自分の時は旭川緑が丘中学校が強かったので、引越してそこに入ろうかと考えていたのですが、小学4年生のときにコンサドーレ旭川ができると聞いて、美瑛から通おうと思いました。自転車で毎日20キロくらいです。学校が終わってすぐ、1時間半から2時間近く自転車に乗って通いました。自分にとっては挑戦できる場があるだけでありがたかったので、やるだけでした。
 自分はコロナになったタイミングで旭川のアカデミーに指導者として来たのですが、2年間くらいは通常の活動ができませんでした。自分が小学6年生から見ている子たちが今のU-15の3年生ですが、大切な最高学年の6年生(2020年)と、中学1年生のときにコロナ禍でまともな活動ができておらず、それが響いていると感じています。自分たちから声を出したり、指示を待つのではなくて自分たちから主体的に行動にうつせるように、と伝えています。それでもまだ、もう一歩、足りないと感じています。サッカーの部分でも選手の成長が足りないと感じていますので、トップのトレーニングを見学することで、何か変化や、良い刺激があるかもしれないと思い、石川直樹マネジメントチーフに相談して、夏休みということもあってトップチームの練習見学もさせてもらいました。
 自分は努力だけではなく、運やタイミング、人とのつながりに助けられてここまでやってこられました。旭川のアカデミーは今年で20年目です。ここまで色々な方々に支えられて20年間やってこられたので、ここから「新時代」といいますか、旭川U-15としてまた上を目指して進んでいくために、ここからが大事な時期だと思っています。指導者もみんな旭川で育った人たちで、曵地コーチも来てくれて、旭川U-15に対する思いも強いので、子供たち、スタッフ、みんなでやっていきたいと思います。

山下泰明(やましたやすあき)
1993年5月23日、美瑛出身。旭川U-15、札幌U-18、金沢星稜大学を経て、ファジアーノ岡山ネクストへ加入。1年でプロ生活を終えて石川県内でサッカースクールのコーチとして指導者のキャリアをスタートさせた。2つのクラブで約3年間スクールコーチを務め、2020年から旭川U-15チームのコーチ(当時は旭川U-13担当、東川U-12コーチも兼務)に就任し、今季から旭川U-15担当コーチ。札幌U-18時代は荒野拓馬選手、現福岡の奈良竜樹選手らと同期。自身の経験をもとに、旭川U-15の指導に当たっている。