アカデミー指導者トーク・石川直樹マネジメントチーフ(月刊コンサドーレ8月号掲載)
石川直樹 札幌マネジメントチーフ兼旭川・釧路・室蘭チーフ
自分の中での今年のテーマは、実際に現場に立って指導しているコーチやスタッフの人たちとコミュニケーションをしっかり取ることです。旭川、釧路、室蘭など各エリアのスタッフとコミュニケーションを取り、試合を見て、自分たちがやりたいサッカーがきちんとできるような土台を作りたいと思っています。そのためのファーストステップとして、しっかりと現場とスタッフを知ることと思っています。現地に行くだけではなく、オンラインで定期的にミーティングするなど、意識してやらせてもらっています。
地域性など、同じコンサドーレでも環境は違います。その中でもやれことをみんなで模索して、考えてトライしている。それはスタッフも選手も同じです。そういうところを見ていると、すごく良かったと感じています。JR北海道の電車で各エリアに行かせてもらっていますけど、その中でも色々考えながら行きます。遠征、ではなくて視察ですね。まだまだ未熟で何もできないですけど、すごくいい時間を過ごさせてもらっています。
チーム内でのコミュニケーションやリスペクト、人の気持ちを理解するなど、そういったことは社会で重要なことですから、それをサッカーで学んで欲しいと思っています。コンサドーレのアカデミーには優秀な指導者がいっぱいいます。気持ちよく指導できる場を作って、子供たちがサッカーを通じて、サッカーのスキルだけではなく、社会で生きていくための力をつける。そのためにどのような学びができるのか、ということを会社と相談しながら、自分のエネルギーを使えたらと思っています。そこで一つ軸にしたいのは、スポーツ心理学という科学です。プロでやってきた経験の部分と、学術的な部分というところをきちんと伝えて、子供たちが成長するために、かみ砕いて伝えられればと思っています。
現実として、アカデミーからプロになれる選手は一握りです。その結果だけにフォーカスするのではなく、コンサドーレでこれだけのものを学んできたから、どこの会社、学校に行っても恥ずかしくないというものを会社として作ることが、北海道に1つしかないプロクラブの責任だと思っていますし、三上代表取締役GMが言われる、地域に貢献するということに通ずると思っています。
石川直樹(いしかわなおき)
1985年8月13日生まれ。千葉県出身。柏レイソルの下部組織でプレーし、2004年にトップチームに昇格。その後北海道コンサドーレ札幌、アルビレックス新潟、ベガルタ仙台で主にDFとして活躍。J1通算264試合11得点。J2通算66試合3得点。仙台時代の2013年にはACLに4試合出場している。2020シーズン限りで現役を引退し、今季からアカデミースタッフに就任。