2024明治安田J1リーグ第31節 FC町田ゼルビア戦 監督コメント

ミハイロ ペトロヴィッチ 監督

本日の試合総評

 町田との戦いは非常に難しいゲームになると思っていましたけれども、思った通り難しいゲームでした。町田は非常に特殊な、オーガナイズされたサッカーをするチームですけれど、高さのある選手が多く、そこをターゲットにロングボールを入れてきてからのセカンドボール、そこからのシュート、クロスボール。あるいはロングスロー、コーナーキック、フリーキックと、非常にオーガナイズされたセットプレーと、分かってはいてもなかなか防ぎきれないことが多い。そういうシチュエーションを意図的に作り出す中で得点をする、試合をものにしていく、そういった戦い方をしてくるチームなので、今日のゲームは非常に難しいゲームでした。過去にプレミアリーグでストークシティというクラブが戦っていましたけど、そのチームは小さい選手でも180cm後半の選手で、そういった高さのある選手を揃えて、それを生かす戦い方をしていたチームでした。その時もロングスローを多用していたチームであり、セットプレーでも強さを発揮していたチームでしたけれども、イングランドのスタジアムはトラックがない分、サッカー専用スタジアムの中で見ていた観客の方々はロングスローがある、あるいはセットプレーがあると得点の匂いがして、湧くというのがストークシティの昔のゲームでしたけれど、町田はすごくそれに似ているな、と私は思いました。町田もセットプレーがあると見ている方々は得点の匂いを感じてそれで沸くというような、そういった町田での今日のアウェイゲームでした。サッカーの個人的な好みとしては、ロングスローをペナルティーエリアに入れてはいけないとか、あるいはセットプレーをペナルティーエリアに放り込んではいけないと、そういうルールがあれば私は「良いな」というふうに思うタイプです。そういうルールがあったら、もしかしたらよりボールをつながなければいけないような、そういうサッカーが変わっていかなければいけないかもしれません。

 今日のゲームは、町田が規律のある非常にプロフェッショナルな戦いをするチーム。与えられた役割を全員が規律を持って遂行する。そうした相手に対して良く選手たちは戦ったと思います。特に右サイドを22番の選手に突破されて危険なシーンというのは何回かありましたけれど、そういう中で選手たちは体を張ってゴールを割らせなかったと思いますし、反対に自分たちのボールを持つ時間であったり、意図的に相手を崩して得点を狙う場面だったり、ボールを奪って早く攻める場面だったり、そういうシーンを作りながら町田のゴールに迫ることもできたと思います。非常に厳しいゲームでしたけど、我々らしい戦い方ができたのではないかと思います。もちろん、今の我々の状況から考えれば勝利が欲しいゲームでしたけど、このアウェイで首位を相手に(勝ち点)1点が取れたのは評価しなければならない試合だったと思います。最後の方に多くの選手が足をつって、本当に力の最後の一滴まで振り絞って戦ってくれました。スパチョーク選手は最後、本来であれば1対1で仕掛けてシュートという場面を作ると思いますが、彼の試合終盤、最後は仕掛けるだけの力がなくてシュートを打ったと、本来であればもっと危険な場面を作れたと思います。残留に向けて1ポイントというのは決して満足できるポイントではないのですが、首位を相手にこれだけの戦いができたこと、アウェイで1ポイントを持ち帰ることは一定の評価をしなければいけないのですが、おかれている状況からすれば満足できる結果とはいえません。今日の試合の他会場の結果から言えば、磐田と柏、残留を争うチームが引き分けに終わったということはポイント差が開かなかったし詰めることもできませんでしたが、我々下にいるチームからすれば順位を入れ替えるチャンスが少なくなっていきますので、厳しい状況に追い込まれたことに変わりはないと思います。