2023明治安田生命J1リーグ 第13節 湘南ベルマーレ戦 監督コメント

ミハイロペトロヴィッチ 監督

ーー試合の総評
今日の試合に関しては、湘南との対戦ということで非常に難しいゲームになることは想定していました。湘南は走力とアグレッシブさと、チームとしての規律もあるコンパクトなチームだからです。ただその湘南に対して我々はしっかりと準備をして今日のゲームに入りましたし、立ち上がりから選手たちがしっかりと狙い通りのゲームを進めてくれたと思います。そういう中で早い段階で得点をしてリードする展開を作ることができた。ただそのあと、何回かチャンスは作りましたが、なかなか追加点は取れない展開の中でハーフタイムを迎えました。

後半に入って、引き続き自分たちの狙いとする戦いは見せられてはいたのですが、ハンドの判定で試合が逆の展開になってしまった。ハンドの判定でPKを取られて失点した後に、またすぐに失点をして逆転されてしまった。選手たちは決して納得のできる判定ではなかったと思いますが、その納得できない部分の怒りをエネルギーに変えて、もう一つギアを上げて攻撃を仕掛けてくれました。そういう中で同点、逆転することができたのは、選手たちが素晴らしいリバウンドメンタリティを見せてくれたと思いますし、最終的に我々が勝利することができたゲームでした。試合を振り返ってみても、我々札幌が勝利に値するゲームができていたのではないかと思います。

 

--攻撃面の評価について
浅野選手は昨シーズンは広島でなかなかチャンスがもらえない状況でした。小柏選手はうちに大卒で入ってきた選手。田中駿汰選手も大卒で札幌でキャリアを始めた選手。岡村大八選手は草津から移籍してきた選手。中村桐耶選手はうちの育成で育った選手で、プロになってなかなか芽が出ない中で、一時期はJFLのHONDAでプレー機会を求めて移籍しました。そこでもなかなか出場機会はありませんでしたが、うちに帰って来て成長を続けてくれている選手です。菅選手も高卒から、うちのアカデミーから上がってきた選手で、プロ1年目からずっと出場を続けている選手です。駒井選手はJ2の京都から浦和に移籍してきて私のもとでプレーし、浦和でなかなか出場機会がなくなった状態の中で札幌に来てくれた選手。小柏選手は大卒で入ってきた選手。金子選手も同じです。

鈴木武蔵選手は札幌で得点を重ねてその活躍が認められて海外に移籍しましたし、ロペス選手もソウルから札幌に来て、得点を重ねてその活躍が認められて中国に移籍しました。今は浅野選手が得点を重ねていますので、そういう心配をそろそろしなければいけないのかなと。心配になってきますが、そういう選手たちがいなくなっても何とか生き残っているのが札幌です。

ヨーロッパで、例えばドイツでボーフムがリーグで一番得点を取っているチーム、今の札幌のようなチームだったら、かなりの注目を集めると思いますよ。札幌には力があると、私は思っています。ここまで勝ったり負けたりという試合が多かったのも事実ですが、今日の試合で今シーズン初めて連勝したわけですが、今週の試合に向けて、選手たちとずっと話をしてきました。連勝をしていかなければならないと。コンスタントに自分たちが勝っていかなければいけないんだとミーティングで話してきました。

先ほども言いましたが、常に彼らはJ1のトップクラブで出続けた選手たちではありません。彼らが常にコンスタントに、自分たちの力を発揮していく中で、毎試合勝っていく経験は彼らにないことだと思います。それは成長の伸びしろでもあると思います。我々はそういう過程にあるチームだと思います。残念ながら、できあがった選手を連れてきてチームを編成しているわけではありません。成長させながらチームを作っているという意味では、選手自身も、チーム全体もまだまだ未成熟な部分があります。だからこそ我々は、勝ったり負けたりするわけですが、そういう取り組みを経てチーム、選手が成熟する中で上位を争っていくチームに変わっていければと思っています。

次の試合の京都戦は来週金曜日にありますが、私は非常に重要なゲームと捉えています。今日の湘南の勝利というのはもう忘れなければならないと思いますし、私自身は今日をもって頭から消し去ろうと思います。次の京都戦で勝利することができれば、札幌はここから上に行く、ということをしっかりと示せる試合になると思っています。