2022 明治安田生命J1リーグ第22節 柏レイソル戦 監督コメント

ミハイロペトロヴィッチ監督

--本日の試合を振り返って

前半3分で失点したが、それ以外は試合を十分にコントロールできていた。特に後半は圧力をかけて相手のゴールに迫ることができたが、チャンスを生かすことができなかった。相手は連戦中であり、コンディションでは我々に分があったが、ゴールを奪えなかったことは残念に思う。今チームが抱えている問題は得点を奪うことだと思う。

 

レフェリーの判定についてコメントすることはタブーとされているが、前半興梠選手がエリア内で倒されたシーンは、PKではないかと思う。せめてVRAが入っているのであれば、OFRで確認してもよかったシーンだと思う。今シーズン、VARの介入があって我々にレッドカードの判定が下されることは多いが、我々に有益になるようなシーンでは、VARが介入しないことが多いように感じる。ジャッジリプレイというDAZNの番組で札幌が取り上げられる割合が非常に多いと思う。その中でジャッジは正しかったという結論ももちろんあるが、そうじゃなかったシーンも多かったのではないかと思う。レフェリーの判定を言い訳にはしたくないが、事実としてそういうことが多いと、皆さんに知ってほしい。

 

最近の試合では自分たちでボールを動かしながら、攻撃の形を作れても、なかなか得点につながらず、いいゲームをしながらも勝利に結びつかないことが多い。選手たちは最後まで全力で闘ったし、いいプレーをいくつも見せてくれたと思う。そういった中で、選手たちを責めることはできない、選手たちを鼓舞しながら次の試合に向けて準備を進めていくしかない。

 

今シーズンはレギュラーの選手がそろうことがない。ルーカス、小柏、深井に加え、今日は金子がケガをしてしまった。誰かが戻ってくれば、誰かがケガをして離脱する。ケガ人も1~2人ではなく、常に4~5人いる厳しいシーズンである。ただ、常に前向きに、今の目標に向かって進んでいく必要がある。現状を打破するために補強を考えなければいけないが、資金力の都合上、思うような補強ができないクラブ事情がある。今日もマリノスのベンチを見てと豪華だなと思ったが、札幌は与えられた条件の中で戦っていくしかない。

 

 

--後半荒野選手と駒井選手の立ち位置を入れ替えたが、どういう意図があったのか

駒井選手には守備でアンカーを捕まえることとビルドアップで後ろからボールを引き出しながらゲーム作っていくことを期待した。荒野選手はボランチの選手だが、シャドーのポジションでも起点になったり、他の選手を生かすオフザボールの動きができる選手なので、彼らのポジションを入れ替えた。

 

 

--センターバックがうまく攻撃に絡めていると思ったが、監督としての評価はどうか

我々のチームにとってはトレーニングの時間が重要であるが連戦が多く、トレーニングに割く時間が十分にとれ今シーズンていない。今週は1週間間隔が空き、ビルドアップや攻撃の形をトレーニングできたので、試合の中でそれが出せたと思う。田中駿汰選手、高嶺選手は大卒で加入し、岡村選手は群馬から加入した。そこに宮澤選手や駒井選手など、私の元で長くプレーする選手がうまく組み合わさることで、バリエーション多く攻撃の形を出せるチームである。

 

私はオシム監督から基礎を学びながら、自分の攻撃の形を発展させている。相手は我々を抑えるために対策をしてくるが、自分たちが一歩上をいくような攻撃の形を作っていこうと思っている。時には選手たちが自分たちの判断でポジションを入れ替えたり、ボールを運んだりもできている。ただトレーニングの時間が少ないと、少しずつスムーズさがなくなるのが我々のチーム。

 

負けたことは非常に不満だが、見ている人が面白い、興味深いと思う試合だったのであれば、サッカーを見る醍醐味を提供できたと思う。1つの映画をみてもらうような作品を目指すことが、私の仕事の一つだと思っている。プロチームは結果が重要であり、私もそれを理解している。しかし私はロマン派の監督なので、勝つというテーマだけでサッカーをしてはいけないと思っている。美しく、自分たちのスタイルも持ちながら勝つということにこだわりながら監督をしている。結果がでないと評価されない世界だが、そういう中でロマン派の監督として頑張り続けたいと思う。