2019/6/1(土) サンフレッチェ広島戦 監督コメント (明治安田生命J1リーグ第14節)
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
--試合を振り返って
非常に難しいゲームになると予想していました。広島は非常に強いチームであるということ。そして彼らの戦い方というのは10人がしっかりと自陣に引いてブロックを作って、我々の攻撃を待ち構えたうえで、ボールを奪って鋭いカウンターをしてくるチーム。そういう戦い方をしてくる広島というのは、我々としては非常に難しい試合になるだろうという、予想通りの展開になりました。
今日のゲームについて、私は選手たちを褒めたいと思います。なぜなら、まずチームとしての規律を最初から最後までりっかりと守って戦い抜いてくれたということ。それがまず一つ。そして2つ目に、選手たちはしっかりと走り、戦うハードワーク、そして勝つんだという強い気持ちを見せてくれたということ。それが素晴らしかった。そして3つ目に素晴らしかったのは、選手たちはしっかりと落ち着いて、慌てずにボールを動かしながらゲームを組み立ててくれたということ。そうした引いた相手に対してやみくもに突っ込んでいってしまえば、相手の狙いとする速攻を食らうという形が出やすくなってしまう。そういった部分を選手たちはしっかりとコントロールしながら、うまくゲームを組み立ててくれたと思います。
皆さんは長くこの札幌というチームを見られている方も多いと思いますけど、札幌対ガンバ大阪、札幌対広島。札幌と対戦した時に、相手が自陣に引きこもってしっかりと守りを固める、そういった展開は過去の歴史の中ではあまり見られなかったであろうと思います。ただ、相手がそうした戦い方をしてくるというのは、いかに我々札幌が攻撃的なチームとして成長しているかという証でもあると思います。相手が非常に密に守備ブロックを作ってくる中で、ボールを右に左に前に後ろにうまく循環させながら、相手の開けてくれる穴を探しながら、相手の守備を崩してチャンスを作れていたシーンもあったと思います。そういう中で得点を奪って1-0で勝利できたことはやはり素晴らしいゲーム運びであったと私は見ています。
ガンバ戦、そして今日の広島戦というのは、選手たちが大人のサッカーがしっかりとできるというところを見せられたゲームであると思います。ガンバ戦は得点できませんでしたけれども、しっかりと自分たちの狙いとするゲーム運びをしながら、チャンスを幾つも作っていたと思います。得点は奪えなかったわけですが、試合全体をしっかりとコントロールしながら0-0という引き分けという結果で終えることができました。今日のゲームも自分たちでコントロールする中で得点を奪って勝利することができた。ああいった相手に対して、以前であれば攻め急いでしまう。あるいは不用意なボールロストからのカウンターを食らって失点をして負けてしまう。そういった展開もあったでしょうし、サッカーの世界では良くありがちな展開です。ただ、そういった部分に選手たちはしっかりと気を付けながら、ボールを動かしながら、ゲームをコントロールしながら、勝利をつかみ取った。我々札幌が大人なサッカーができるということを、今日の試合でしっかりと見せられたゲームであり、自分たちがチームとして一つ前進できたことを確認できたと思います。
私が札幌に来る以前に、札幌がJ1で戦っていた歴史があると思いますが、以前であれば札幌がガンバに3-0で負けても、あるいは浦和に3-0で負けても、「相手が強いから仕方がない」という見方で見られていた方も多いと思いますけど、反対に今は、前節はガンバと0-0で引き分けても、その結果をもって「なぜ得点を奪って勝てなかったのか?」と皆さんが思われること自体が、我々がいかにこの1年半で前進しているか、ということの証であると思います。
我々はリーグで最もスタメンの平均年齢が若いチームの一つと思いますが、そのチームがこの1年半の中で、サポーターが例えばスタジアムに見に来た時に、「今日も勝つのではないか?」と期待感を持って来てもらえるということというのは、チームが成長している証しだと思いますし、そうした期待感を持ってスタジアムに来てもらえるというのは、我々にとっても前向きなエネルギーに変わっていると思います。そうした期待にこれからも応えていきたいですし、さらに強いチームになっていきたいと思います。
皆さんご存知の通り、キャプテンの(宮澤)裕樹がケガで出場できませんでした。ロペス選手、駒井選手に関しては長期の離脱中で、チャナティップ選手もケガで出場できませんでした。ジェイ選手に関してはまだ復帰して間もない中、なかなかコンディションが整わない状況の中で、限られた時間の中での出場になりました。我々のチームの中で、重要な選手が5人欠ける中で得られた今日の勝利というのは、非常に素晴らしいと思います。レアルマドリードでも5人のレギュラー選手が出場できないという状況であれば、チームへの影響はあるはずです。そういう状況の中でも、出場した選手たちが、何が何でも、どういう状況でも我々が勝つんだ、という強い気持ちをもって臨んでくれたということ。自分たちが狙いとするものを最初から最後まで狙い、戦ってくれたということは本当に素晴らしいと思います。私自身、このチームを愛してやみません。